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川島会長



神奈川盲ろう者ゆりの会

挨 拶

                                 神奈川盲ろう者ゆりの会

                                 会長  川 島 朋 亮

皆様は「盲ろう者」をご存じですか。
 「盲ろう者」とは、目と耳の両方に障害を併せ持つ重複障害者です。
  言わばヘレン・ケラー女史のような存在の人を指し示します。
  視覚障害と聴覚障害の二つの障害を併せ持つために、「触れることで情報を知り、コミュニケーションを図る」ことができる、独自な文化と世界を持つ障害者です。しかしながら、わが国において盲ろう者の数は推計約14,000人(平成28年当時:厚労省の実態調査による) とされており、視覚障害者と聴覚障害者に比べて、少数派の存在であるため、一般的にあまり知られていません。
また、盲ろう者全てがヘレンケラー女史のように「全盲・全ろう」というわけではありません。 大まかに分けて「全盲・ろう」「弱視・難聴」「全盲・難聴」「弱視・難聴」があり、 個々において「見え方」「聞こえ方」に違いがあり、「見えない」「聞こえない」「見えづらい」 「聞こえづらい」の状態はさまざまです。盲ろう者になった時期や環境もそれぞれに違いがあるため、コミュニケーション手段も一様ではありません。 また先天性盲ろう者もおり、言葉とコミュニケーションの習得がゆるやかであったり、オブジェクトキュー、サインを利用してコミュニケーションを図ったりしています。 (※詳細は当会パンフレットをご参照ください。)

  

尚、盲ろう者についてわかりやすくご理解いただくために、当ウェブで動画 「盲ろう者ってどんな人?」を掲載いたしてしております。
ご覧いただければ幸いです。

社会生活を営む上で、盲ろう者の特性として「情報入手」「コミュニケーション」 「外出」の3つの困難があります。

―盲ろう者は―

「見えない、そして聞こえない」。

「わからない、何もできない」。

「自分はひとりぼっち」。


そのように思われがちかもしれませんが、実際はそうではありません。盲ろう当事者一人では 出来ない、または出来る範囲が狭められてしまいますが、周囲からの支援を受けることで 「自分でもやれる、出来る」と思うことが可能になります。支援の一環として、 「盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業」があります。(委託;社会福祉法人 神奈川聴覚障害者総合福祉協会)その事業を利用することで、盲ろう者にとって困難な「情報入手」 「コミュニケーション」「外出」が可能になり、自立と社会参加への幅も広がっていきます。


「ゆりの会」は、盲ろう当事者と家族、そして支援者の皆様との交流と親睦を図るとともに、 自立と社会参加並びに生活と福祉向上の促進を目指しており、主に以下の活動を行っております。

・交流会、コミュニケーション学習会などの開催

・行政等への要望活動

・盲ろう者向け通訳・介助員養成と現任研修事業への協力

・啓発活動


「ゆりの会」の会員は皆、表情が明るく生き生きとしています。

そんな仲間たちと触れ合うことで「自分は決して一人ぼっちではないんだ!」と気づくことでしょう。 身近なところに一人ぼっちの盲ろう者がいたら、ぜひ声をかけて「仲間がいること」を伝えてあげて ください。ゆりの会があることを知らせてあげてください。そしてゆりの会を訪ねてきてください。「ゆりの会」会員一同、心よりお 待ちしております。

最後になりますが、「ゆりの会」に対して、より一層のご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。


 

(1)盲ろう者とは?

 

「盲ろう者」と言う言葉をご存知でしょうか?最近TVや新聞・雑誌でも繰り返し 報道されてきましたのでご存知の方も多いと思います。目と耳に重複障害のある人のことで、 身体障害者手帳に視覚障害と聴覚障害の両方記載のある人の総称です。
  「盲ろう者」は障害の程度により、次の4つに分けられます。
   *全盲ろう  まったく見えなくてまったく聞こえない人
   *全盲難聴  まったく見えなくて少し聞こえる人
   *弱視ろう  少し見えてまったく聞こえない人
   *弱視難聴  少し見えて少し聞こえる人
  さらに、盲ろうの障害に加えて他の障害を重複する人、先天的に盲ろう障害を有する などの厳しさゆえに言語の獲得が緩やかな人など様々な仲間がいます。

 

◆神奈川県内に盲ろう者はどのくらいいるのでしょうか?◆
  平成24年度の厚生労働省「盲ろう者に関する実態調査」によると県内には617人  の盲ろう者がいると推定されています。(下表参照)



(2)通訳・介助員派遣事業とは?

盲ろう者が外出して活動したり、社会参加を支援するために、情報保障や移動介助を担う人を
通訳・介助員といいます。
盲ろう者は、通訳・介助員を派遣する公的サービスを利用しています。
しかし、実際に通訳・介助員派遣事業に登録している盲ろう者は推計盲ろう者数の
10%にも満たない状況です。
これは、盲ろう者自身が外部からの情報を得ることが難しいからだと考えられます。
また、通訳・介助員を養成するための「養成講習会」も毎年開催されています。

   

◆実態調査に基づく推定盲ろう者数と派遣登録盲ろう者数◆

    地域           推計盲ろう者数   派遣登録盲ろう者数
   神奈川県(指定都市以外)   233人        17人
   横浜市              260人        27人
   川崎市               81人         4人
   相模原市              43人         6人
   神奈川県合計           617人        54人
   全国              14,329人       940人

 

(3)神奈川盲ろう者ゆりの会

神奈川県内に在住または在勤・在学する盲ろう者とその家族、支援者との相互の交流を通して、
盲ろう者福祉を向上し、盲ろう者の自立と社会参加を促進することを目的とし、
平成11年5月16日に設立しました。
神奈川県内の盲ろう当事者の団体としては、唯一の団体です。
?主な活動
・交流会の開催・・・盲ろう者や支援者が集まり、情報交換や親睦を行っています。
・コミュニケーション学習会の開催・・・盲ろう者が使っている多様なコミュニケーションの技術を
向上させるために開催しています。
・ゆりメールの発行・・・盲ろう者や支援者への情報提供としての会報を毎月発行しています。
・その他、通訳・介助員の養成講習会や現任研修会への協力したり、自治体や関係団体が主催している
啓発イベントへ積極的に参加しています。
?主な活動場所
横浜市神奈川区や藤沢市が多いですが、神奈川県内の色々な場所で行事を開催しています。
皆さんゆりの会の交流会に参加してみませんか?ゆっくりだけど味わい深い盲ろう者との触れ合いを
体験していただけると思います。
「ゆりの会へようこそ!」と、心よりお待ちしています。

☆★☆盲ろう者のコミュニケーション☆★☆

  

盲ろう者はどのように他者と会話しているのでしょうか?
   下記のように様々なコミュニケーション方法があり、盲ろう者はこれらの中からひとつ、 あるいは複数の方法を組み合わせて会話をしています。 

 

●手話・指文字
 基本的には普通の手話ですが、盲ろう者の見え方に合わせて工夫が必要です。
 ・触手話:盲ろう者が全盲の場合には相手の手話が見えませんので、相手の表わしている 手話の形を手で触れて読み取ります。


触手話

 ・接近手話:盲ろう者が弱視の場合は、少し離れて手話を読み取ります。 その盲ろう者の見やすい距離や範囲内で手話を表わします。

●点字
 点字を応用したコミュニケーション方法です。
 ・ブリスタを使用:「ブリスタ」というドイツ製の速記用点字タイプライターで打ち出さ れた点字を読み取ります。


ブリスタ

 ・指点字:盲ろう者の指を点字タイプライターの6つのキーに見立てて、左右の人差し指 から薬指までの6指に直接打つ方法です。

指点字

●音声
 盲ろう者に聴力が残っている場合、耳元や補聴器のマイクなどに向かって話す方法です。 盲ろう者の聞こえの状態によって声の高低、強弱、速さなどに配慮が必要です。


音声

●筆記
 盲ろう者に視力が残っている場合、盲ろう者の見やすい大きさ、太さ、色の文字を書いて 伝えます。
 ・筆談:筆談ボードや紙に書いて盲ろう者に伝える方法です。
 ・パソコン要約筆記:盲ろう者と通訳者のパソコンをつないで、通訳者が入力した文章を 盲ろう者側のパソコンに表示することによって通訳する方法です。


パソコン要約筆記

●手のひら書き
 盲ろう者の手のひらにひらがなやカタカナを書いて伝える方法です。
 特別な技術を身につけなくても、誰にでもできるのが特長です。
 多くの盲ろう者が使用しています。


手のひら書き

●身振りサイン・オブジェクトキュー
 言語獲得に丁寧な取り組みを要する先天性盲ろう障害と他の障害を併せもつ盲ろう児・者は、 身振りを使った身振りサインや、共通のルールを取り決めた具体物(オブジェクトキュー)を 用いてコミュニケーションを行います。


身振りサイン

 


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